犬にとっての危険な庭の植物-知っておきたい5つの有害な植物
植物の中には、犬にとって有害な成分を含む植物がたくさん存在します。
犬は嗅覚が良いですが、好奇心が強いので危険性を判断できず、誤飲することが多いです。
この記事では、犬にとって危険な植物を5つ紹介します。

1 アザミ

アザミはキク科に属する多年草の植物で品種によって開花時期は異なりますが、主に5月〜8月にかけて勢いよく開花します。
日当たりがよく、風通しの良い場所を好む植物なので散歩中は特に注意してください。
【アザミに含まれる主な有毒物質】
•サポニン…界面活性作用によって細胞膜の破壊や溶血作用がある
アザミの根や葉に含まれるサポニンには経口毒性があり、犬が摂取すると嘔吐、下痢、けいれんなどの中毒症状を引き起こすことがあります。
2 ヒューケラ

ヒューケラは、ユキノシタ科に属する植物で5月〜7月が開花時期の多年草です。
メキシコ北部からアメリカ南部が原産の植物で和名だと「ツボサンゴ」として親しまれています。多彩な葉の色が楽しめることや寒さへの強さ、日影でも育てやすいことからガーデニング人気の高い植物です。
【ヒューケラの主な有毒物質】
•シュウ酸カルシウム…人間にとっても有毒で、尿路結石を引き起こす。
ヒューケラの葉や花に含まれるシュウ酸カルシウムなどの有毒成分により、下痢や嘔吐、呼吸困難、けいれんを引き起こすことがあり犬が摂取してしまうと危険です。
3、ライラック

ライラックはモクセイ科ハシドイ属の落葉低木で4月から6月にかけてが開花時期です。ヨーロッパが原種ですが、札幌の木としても知られています。
ライラックの花はガーデニング人気も高くプレゼントにも選ばれる花ですが、ライラック自体が犬っては危険性のある植物です。
【ライラックに含まれる主な有毒物質】
•シアン化合物…体内の細胞に酸素を運ぶヘモグロビンと結合し、細胞の機能不全を引き起こす。
•配糖体…消化管で分解され、下痢や嘔吐などの症状が出る。
毒性成分としてはシアン化合物と配糖体で、ライラックの葉、花、茎、種子全てに毒性があります。犬が摂取すると、
嘔吐、下痢、元気消失、けいれんなどの症状を引き起こすことがあります。
4、クリスマスローズ

クリスマスローズは、キンポウゲ科の植物で開花時期は1月から3月です。冬の寒さを耐え忍んで咲くことから「冬の貴婦人」とも呼ばれています。
品種改良によって花形や花色のバリエーションも多く、育てやすいためガーデニング人気の高い多年草です。
キンポウゲ科は毒性を持つ植物が多く、クリスマスローズも例外ではありません。
クリスマスローズの学名は『ヘレボルス』ですが、これはギリシャ語で「殺す」を意味する「ヘレイン」と食べ物を意味する「ボラ」から由来するといわれています。
【クリスマスローズの主な有毒物質】
- 強心配糖体…頻脈や浮腫みを伴ううっ血性の心不全などを起こす
- サポニン… 界面活性作用によって細胞膜の破壊や溶血作用がある
- プロトアネモニン…刺激性成分で皮膚や粘膜を刺激する
クリスマスローズを摂取すると、嘔吐や下痢などの消化器症状や心拍の異常、血圧の低下、けいれんを引き起こします。
5、アザレア

アザレアは、ツツジ科の種を交配し品種改良された常緑性のツツジの総称です。夏に花芽ができますが、秋以降も暖かい環境で育てると冬の間に開花させることができる
ため、12月〜3月に観賞用の鉢花として出回ることもあります。
台湾原産のツヅジを始祖としてベルギーで園芸用に品種改良され、明治時代に観賞用として日本に流通しました。西洋ツツジとも呼ばれ、花びらの周囲が縮れているのが特徴で日本のツツジより華やかな印象の花です。
観賞用として広く流通していますが、花蜜を含む全草に毒性があり、犬にとっては危険な植物です。
【アザレアの主な有毒物質】
•グラヤノトキシン…強い粘膜刺激作用があり、誤食すると呼吸困難、嘔吐、下痢酩酊状態、神経麻痺の可能性。
•アンドロメドトキシン…強力な催吐性の有効成分で心臓の毒であり、運動神経を麻痺させる作用がある。
犬がアザレアを摂取してしまうと嘔吐、下痢、食欲不振、などの症状が現れ、よだれを垂らすこともあります。また、重症の場合は心拍数の増加や極度の脱力状態になることもあります。
【対処法】
犬が、有害な植物を摂取してしまった場合には、中毒症状が出る前に対処することが大切です。何をどのくらいの量
摂取してしまったのか確認し、覚えておきましょう。
動物病院にすぐに連絡し状況の説明、指示を仰いでください。
病院が開いていない場合でも、緊急対応のある動物病院や診療所を探しすぐに連絡しましょう。
【まとめ】
犬は好奇心が強く、興味を持ったものを口にしてしまいがちです。犬にとって危険な植物についての知識を深め、予防策を実践しましょう。万が一有毒な植物を摂取してしまった場合には、獣医師に連絡をし速やかに適切な処理を行なってください。