ドッグランが苦手な犬の特徴とは?向かない犬種と上手な付き合い方

「愛犬をドッグランに連れて行ったら、全然楽しそうじゃなかった…」そんな経験はありませんか?実は、すべての犬がドッグランを楽しめるわけではありません。犬にも個性があり、ドッグランが苦手な子も意外と多いんです。

今回は、ドッグランが苦手な犬の特徴や向かない犬種、そして愛犬とドッグランを上手に付き合っていく方法について詳しく解説していきます。

目次

ドッグランが苦手な犬の特徴

まずは、ドッグランが苦手な犬に見られる代表的な特徴を見ていきましょう。

警戒心が強く臆病なタイプ

初めての場所や知らない犬に対して警戒心が強い犬は、ドッグランのような開放的で多くの犬が集まる環境に不安を感じます。飼い主の足元から離れられなかったり、隅っこで固まってしまったりする様子が見られます。

このタイプの犬は、無理に他の犬と交流させようとすると、かえってストレスを感じてしまうことがあります。

社会化不足の犬

子犬の頃に十分な社会化経験を積めなかった犬は、他の犬とのコミュニケーション方法がわからず、ドッグランでどう振る舞っていいか戸惑ってしまいます。

社会化期(生後3週間〜12週間頃)に様々な犬や人と触れ合う機会が少なかった場合、成犬になってから他の犬が苦手になることがあります。

興奮しやすく攻撃的になる犬

反対に、他の犬を見ると興奮しすぎてしまい、吠えたり飛びかかったりしてしまう犬もドッグランには不向きです。これは本人が楽しめないだけでなく、他の犬や飼い主さんにも迷惑をかけてしまいます。

興奮のコントロールができない犬は、まず基本的なしつけを固めてからドッグランデビューを考えましょう。

高齢犬や体調が優れない犬

シニア犬や持病のある犬は、若くて元気な犬の動きについていけず、ストレスを感じることがあります。また、視覚や聴覚が衰えている高齢犬は、予測できない他の犬の動きに驚いてしまうこともあります。

体力面でも精神面でも、無理は禁物です。

飼い主依存が強い犬

飼い主さんにべったりで、常にそばにいたい性格の犬は、他の犬と遊ぶことよりも飼い主と一緒にいることを優先します。ドッグランに行っても、ずっと飼い主のそばから離れず、他の犬に興味を示さないことも。

これは決して悪いことではなく、その犬の個性として尊重してあげましょう。

マイペースで単独行動を好む犬

犬種によっては、群れで遊ぶよりも一人で過ごすことを好むタイプもいます。こうした犬にとって、多くの犬が走り回るドッグランは落ち着かない空間に感じられるかもしれません。

ドッグランに向かない犬種

犬種による性格の傾向から、ドッグランがあまり向いていない犬種をご紹介します。ただし、これはあくまで傾向であり、個体差が大きいことを理解しておきましょう。

日本犬(柴犬、秋田犬など)

日本犬は忠実で飼い主への愛情は深いものの、他の犬に対してはやや距離を置く傾向があります。特に柴犬は独立心が強く、知らない犬との交流を好まないことが多いです。

縄張り意識も強いため、他の犬が近づいてくると警戒したり、威嚇したりすることもあります。

チワワ

体が小さいチワワは、大型犬が多いドッグランでは怖がってしまうことがあります。また、警戒心が強い性格から、知らない犬に対して攻撃的になることも。

小型犬専用エリアがある施設を選ぶなど、配慮が必要です。

ヨークシャー・テリア

テリア気質の強いヨーキーは、勇敢な性格ですが、他の犬に対して気が強くなりすぎることがあります。小柄な体にも関わらず、大きな犬に立ち向かってしまうこともあり、危険な場面も。

また、繊細な面もあるため、騒がしい環境が苦手な子もいます。

ペキニーズ

マイペースで独立心の強いペキニーズは、他の犬と積極的に遊ぶタイプではありません。どちらかというと、静かに飼い主のそばで過ごすことを好みます。

また、短頭種のため呼吸器系に配慮が必要で、激しい運動は避けたい犬種です。

シーズー

温和な性格のシーズーですが、ペキニーズと同様に短頭種であり、激しい運動は苦手です。また、被毛が長いため、他の犬とのじゃれ合いで被毛が汚れたり絡まったりすることも。

穏やかに散歩を楽しむ方が向いている犬種です。

アフガン・ハウンド、サルーキなど

視覚ハウンドと呼ばれるこれらの犬種は、動くものを追いかける本能が強く、ドッグランで突然走り出してしまうことがあります。制御が難しく、他の犬とぶつかる危険性も。

広大な敷地が必要で、一般的なドッグランには不向きです。

闘犬系(ピットブル、土佐犬など)

闘犬として改良された犬種は、他の犬に対して攻撃性を示すことがあります。たとえ本犬に悪気がなくても、体格や力が強いため、トラブルになる可能性が高いです。

多くのドッグランで入場制限がかかっている犬種でもあります。

ドッグランが苦手な犬のサイン

愛犬がドッグランで見せる以下のようなサインは、「苦手」「不安」を表している可能性があります。

ボディランゲージに注目

  • 尻尾を下げている、後ろ足の間に巻き込んでいる:恐怖や不安を感じているサインです
  • 耳を後ろに倒している:緊張していたり、警戒していたりします
  • 体を低くしている:不安で自分を小さく見せようとしています
  • あくびや舌なめずり:ストレスを感じているときに見られる行動です
  • 体をブルブル震わせる:極度の緊張状態にあります

行動面での変化

  • 飼い主の足元から離れようとしない
  • 出入口に向かって帰りたがる
  • 隅っこに固まって動かない
  • 他の犬が近づくと逃げる、唸る
  • ずっと吠え続ける
  • パンティング(舌を出して荒い呼吸)が激しい

これらのサインが見られたら、無理にドッグランに留まらず、愛犬を安心させてあげることが大切です。

ドッグランと上手に付き合う方法

ドッグランが苦手でも、工夫次第で楽しめるようになるかもしれません。以下の方法を試してみてください。

段階的な慣らし方

ステップ1:空いている時間帯を選ぶ 最初は犬が少ない平日の午前中や夕方などを狙いましょう。他の犬が少なければ、愛犬も落ち着いて過ごせます。

ステップ2:フェンス越しに観察 いきなり中に入らず、まずはフェンス越しにドッグランの雰囲気を見せて慣らします。他の犬が遊んでいる様子を見るだけでも社会化になります。

ステップ3:短時間から始める 初めて入る時は5〜10分程度の短時間にとどめ、徐々に滞在時間を延ばしていきましょう。

ステップ4:成功体験を積む ドッグランで楽しいことがあった、という経験を積み重ねることが大切です。おやつやおもちゃを持参して、ポジティブな印象を与えましょう。

適切な施設選び

  • 小型犬専用エリアがある施設:体格差による恐怖を減らせます
  • 広さが十分にある施設:逃げ場があると安心できます
  • 利用者のマナーが良い施設:口コミなどで事前にチェックしましょう
  • スタッフが常駐している施設:トラブル時に対応してもらえます

無理をしないことが一番大切

どうしてもドッグランが合わない犬もいます。それは決して悪いことではありません。ドッグランが楽しめなくても、他の方法で十分に運動や刺激を与えることができます。

ドッグラン以外の選択肢

貸切ドッグラン プライベートな空間で、愛犬のペースで遊ばせることができます。初めてのドッグラン体験にも最適です。

ロングリードでの散歩 広い公園や河川敷で、ロングリード(5〜10m程度)を使った散歩なら、自由に走り回れます。

個別のプレイデート 気の合う犬友達を作って、1対1で遊ばせる方がストレスなく楽しめる犬もいます。

ノーズワークやアジリティ 他の犬との交流ではなく、飼い主と一緒に楽しめるアクティビティもおすすめです。

水遊び 泳ぐことが好きな犬なら、犬用プールや川遊びも良い運動になります。

ドッグランでのマナーとルール

もしドッグランを利用する場合は、以下のマナーを守りましょう。

基本的なマナー

  • ワクチン接種を済ませ、健康な状態で利用する
  • 基本的なしつけ(呼び戻し、オスワリ、マテなど)ができている
  • 発情期のメス犬は利用を控える
  • 排泄物は必ず処理する
  • 愛犬から目を離さない
  • おやつやおもちゃは他の犬とトラブルになりやすいので注意
  • 他の犬に触る前に飼い主さんに許可を得る

トラブル回避のために

愛犬が他の犬を怖がっているのに、「社会化のため」と無理に交流させるのは逆効果です。かえって他の犬嫌いを強化してしまう可能性があります。

愛犬の様子を常に観察し、ストレスサインが出たらすぐに休憩したり、退出したりする判断も大切です。

まとめ

ドッグランが苦手な犬は決して珍しくありません。犬種の特性や個体の性格によって、向き不向きがあるのは当然のことです。

大切なのは、「みんながドッグランを楽しめるはず」という思い込みを捨て、愛犬の個性を理解し尊重することです。ドッグランが合わなくても、他にも愛犬と楽しめる方法はたくさんあります。

もしドッグランにチャレンジするなら、無理のない範囲で段階的に慣らしていきましょう。そして何より、愛犬が楽しそうにしているか、ストレスを感じていないかを常に観察することが大切です。

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