冬に注意したい犬の病気まとめ|凍傷・乾燥・誤飲の危険性と対策を徹底解説
冬は人間だけでなく、愛犬にとっても体調を崩しやすい季節です。寒さや乾燥、室内環境の変化によって、さまざまな健康リスクが高まります。この記事では、冬に特に注意したい犬の病気や症状、そして具体的な対策方法を詳しく解説していきますね。
冬に犬が体調を崩しやすい理由
冬場は気温の低下だけでなく、室内外の温度差や空気の乾燥など、犬の体に負担がかかる要因がたくさんあります。特に小型犬や短毛種、シニア犬、子犬は寒さに弱く、体調を崩しやすい傾向があるんです。また、冬特有の生活環境の変化も、思わぬトラブルを引き起こすことがあります。
1. 凍傷(低体温症)のリスクと対策

凍傷・低体温症の症状
寒い屋外に長時間いると、犬も凍傷や低体温症になることがあります。特に耳の先端、肉球、しっぽの先端などの末端部分は凍傷になりやすい部位です。
主な症状
- 皮膚が青白くなる、または赤く腫れる
- 触ると冷たく、感覚が鈍くなる
- ぶるぶる震えが止まらない
- 元気がなく、動きが鈍い
- 体温が極端に低下する(通常38〜39度のところ、36度以下)
凍傷・低体温症の対策
散歩時の工夫
- 気温が低い日は散歩時間を短縮する
- 防寒用の犬服を着せる
- 肉球を保護するワックスやブーツを使用する
- 雪や氷の上を長時間歩かせない
帰宅後のケア
- 濡れた体や足はすぐに拭いて乾かす
- 肉球の間に雪や氷が挟まっていないかチェック
- 凍傷が疑われる場合は、ぬるま湯でゆっくり温める(急激に温めるのはNG)
もし凍傷や低体温症の症状が見られたら、すぐに動物病院を受診してください。重症化すると組織の壊死につながることもあります。
2. 乾燥による皮膚トラブル

冬の乾燥が犬に与える影響
冬場の空気の乾燥と暖房の使用により、犬の皮膚も乾燥しやすくなります。乾燥は皮膚のバリア機能を低下させ、さまざまなトラブルの原因になるんです。
乾燥による症状
- 皮膚がカサカサして白い粉(フケ)が出る
- かゆみが増し、頻繁に体を掻く
- 皮膚が赤くなる、炎症を起こす
- 脱毛が目立つ
- 肉球がひび割れる
乾燥対策
室内環境の調整
- 加湿器を使って湿度を40〜60%に保つ
- 暖房の温度を上げすぎない(20〜23度程度が適温)
- 定期的に換気する
スキンケア
- 犬用保湿剤やクリームで皮膚をケアする
- 肉球専用のクリームでひび割れを予防
- シャンプーの頻度を減らす(月1〜2回程度)
- シャンプー後はしっかり乾かす
食事での対策
- オメガ3脂肪酸を含むフードやサプリメントを取り入れる
- 十分な水分摂取を促す
3. 誤飲・誤食の危険性
冬に増える誤飲事故
冬場は室内で過ごす時間が長くなることや、クリスマス・年末年始のイベントが多いことから、誤飲事故が増える傾向にあります。
冬に多い誤飲物
- チョコレート類(クリスマス、バレンタイン時期)
- 人間用の食べ物(鍋料理の骨、おせち料理など)
- 防寒グッズ(カイロ、ヒートテックシートなど)
- クリスマスの飾り(ツリーの飾り、人工雪など)
- 不凍液(エチレングリコール含有、甘い味で犬が好む)
- ストーブの灯油
誤飲を防ぐ対策
環境整備
- 犬の届く場所に危険なものを置かない
- ゴミ箱は蓋付きのものにする
- 食べ物は必ず片付ける
- 防寒グッズや装飾品は犬が触れない場所に保管
注意すべき食べ物
- チョコレート、キシリトール入りガム
- ネギ類(長ネギ、玉ねぎ、ニラ)
- ぶどう、レーズン
- 鳥の骨(刺さりやすい)
- アルコール類
もし誤飲してしまったら
- 何をどのくらい食べたか確認
- すぐに動物病院に連絡
- 無理に吐かせようとしない(かえって危険な場合も)
- 誤飲したものの現物や包装を持って受診
4. その他の冬に多い病気

関節炎・関節痛
寒さで血行が悪くなると、関節炎の症状が悪化しやすくなります。特にシニア犬は注意が必要です。
対策
- 適度な室温を保つ
- 散歩前に軽くマッサージして体を温める
- 滑りにくい床材を使用する
- 獣医師に相談してサプリメントや痛み止めを検討
呼吸器系の疾患
冬は風邪やケンネルコフ(犬伝染性気管気管支炎)などの呼吸器疾患が増えます。
主な症状
- 咳が続く
- 鼻水が出る
- くしゃみが増える
- 元気や食欲がない
対策
- 適度な湿度を保つ
- 急激な温度変化を避ける
- 他の犬との接触に注意
- ワクチン接種を忘れずに
泌尿器系のトラブル
寒くなると水を飲む量が減り、膀胱炎や尿路結石のリスクが高まります。
対策
- 常に新鮮な水を用意する
- 水飲み場を温かい場所に設置
- トイレを我慢させない環境づくり
- おしっこの回数や色をチェック
まとめ
冬場の犬の健康管理で大切なのは、日頃からの観察と予防です。
チェックリスト
- 室温と湿度を適切に保つ(20〜23度、湿度40〜60%)
- 散歩時の防寒対策を忘れずに
- 皮膚や肉球のケアをこまめに行う
- 誤飲しそうなものは片付ける
- 水分摂取量をチェック
- いつもと違う様子がないか観察
少しでも気になる症状が見られたら、早めに動物病院を受診することをおすすめします。特に子犬やシニア犬、持病のある犬は、定期的な健康チェックも大切ですよ。
この冬も愛犬が元気に過ごせるよう、しっかりケアしてあげてくださいね。

