犬が吐くのはなぜ？嘔吐の原因と自宅でできる対処法まとめ

「急に犬が吐いた…大丈夫かな？」
飼い主にとって、愛犬の嘔吐はとても不安になる出来事ですよね。

吐いた物の色やタイミングによって「病院に行くべき？」「様子を見てもいい？」と迷ってしまうことも多いはず。

実は、犬の嘔吐には“問題のない吐き方”と“すぐに対処が必要な危険な吐き方”があります。


見極めのポイントを知っておくことで、愛犬の健康を守ることができます。

この記事では、犬が吐く主な原因・吐いたときに注目すべきサイン・自宅でできる初期対応・病院に行く判断基準をわかりやすく解説します。


「今まさに困っている」という方にも役立つよう、緊急チェックリストも掲載していますので、ぜひ最後までご覧ください。

犬が吐くのはなぜ？よくある原因一覧

空腹や早食いによる一時的な嘔吐

朝ごはん前や長時間の空腹後に、黄色っぽい液体（胆汁）を吐くことがあります。これは「空腹嘔吐」と呼ばれ、特に健康上の問題がない場合も多いです。また、ごはんを一気に食べた後に吐き戻すこともあります。これは胃に急激に負担がかかったために起こる反応で、落ち着いていれば問題ないことがほとんどです。

誤飲・異物（おもちゃ・植物・ビニールなど）による吐き戻し

拾い食いや遊んでいたおもちゃの破片など、消化できない物を飲み込んでしまうと、体が異物を外に出そうとして吐くことがあります。この場合、吐くだけで済むこともありますが、異物が詰まると命に関わることも。何を飲み込んだか分からないときは、すぐに動物病院へ。

フードやおやつが合わない・アレルギー反応

初めてのフードやおやつを与えた後に吐いた場合、胃腸に合っていないか、アレルギー反応の可能性も。繰り返すようであれば、その食材を避け、アレルゲンの特定が必要です。

ウイルス感染・胃腸炎・内臓疾患などの病気

ウイルス性胃腸炎、膵炎、肝臓や腎臓の病気などが原因の場合、嘔吐のほかに下痢・発熱・元気消失などの症状を伴うことがあります。特に繰り返す嘔吐や体調の変化があるときは、早めに獣医師の診察を受けましょう。

ストレスや車酔いなど精神的要因

環境の変化や留守番、旅行中の車酔いなど、精神的ストレスが引き金で嘔吐するケースもあります。これは自律神経の乱れから来るもの。対策としては、安心できる環境づくりや、酔い止めの利用が有効です。

すぐに動物病院に行くべき“危険な嘔吐”とは？

何度も繰り返し吐く・ぐったりしている

数回続けて嘔吐する、もしくは吐いたあとに元気がない・立てない・ぐったりしているなどの状態が見られたら、緊急性が高い可能性があります。脱水やショック症状に進行する前に、すぐ病院へ。

吐いた物に血が混じっている・黒い色をしている

血液が混ざった赤い嘔吐物や、コーヒーかすのような黒褐色の吐しゃ物は、胃や腸の出血が疑われます。すぐに医療処置が必要なため、放置せずに受診しましょう。

便が出ない・腹部が膨れているなどの異常がある

腸閉塞や胃拡張捻転症候群など、命に関わる疾患では、吐くけど何も出ない・お腹が張って苦しそうといった症状が現れます。これらは短時間で急変することもあるので、直ちに病院へ。

子犬・老犬・持病のある犬が嘔吐したときの注意点

年齢が若すぎる・高齢・持病がある犬は、体力が落ちやすく重症化しやすいため、軽い嘔吐でも慎重な対応が必要です。早めに相談・受診するようにしましょう。

犬が吐いたときの自宅での対処法

すぐに絶食＆安静にする（目安は6〜12時間）

嘔吐後は胃腸を休ませるために絶食します。6〜12時間程度が目安ですが、子犬や体力のない犬の場合は短めに調整し、無理は禁物。安静にできる静かな場所で様子を見ましょう。

水は少量ずつ様子を見ながら与える

水を大量に飲ませると再度吐いてしまうことがあるため、最初はティースプーン1〜2杯程度からスタート。10〜15分ごとに少しずつ与えて様子を見ます。

吐いた物を保管・記録しておく（病院で役立つ）

吐いた内容や回数、色や匂いをスマホで写真を撮る・日付と状況をメモすると、診察時に非常に役立ちます。異物が混じっていないかも確認しましょう。

清潔な環境を保つ＋誤飲防止の工夫

吐いた後はすぐに清掃を行い、感染や再誤飲を防ぎます。また、おもちゃ・食べ物・ビニール袋などの誤飲リスクがある物は手の届かない場所へ。日頃から環境を整えておくことが大切です。

様子を見ても大丈夫なケースと経過観察のポイント

1回だけで元気・食欲もある場合は様子見OK

吐いたあとも元気で、ごはんを欲しがる様子があるなら、一過性の嘔吐の可能性が高いです。まずは絶食して様子を見つつ、再発しないかをチェックしましょう。

嘔吐後24時間のチェックポイント（元気・食事・排泄など）

• 元気・食欲があるか
• 嘔吐が再発していないか
• 便は正常か
• 水分は取れているか

これらを24時間観察し、異常があればすぐに受診するのが安心です。

改善が見られないときは早めに受診を

絶食後も何度も吐く、ぐったりしている、食事を受け付けないといった場合は、自宅対応では限界があるため獣医師の判断が必要です。早めの受診が悪化を防ぎます。

犬の嘔吐を予防するために日頃からできること

早食いを防ぐグッズや与え方の工夫

早食いは嘔吐の原因になりやすいため、早食い防止ボウルやパズル型の給餌器を活用したり、小分けにして数回に分けて与える方法も有効です。

フードの見直し＆アレルゲン確認

アレルギーや消化不良を防ぐために、原材料が明確なフードを選ぶことや、体質に合ったものへ変更するのも予防の一環になります。獣医師と相談しながら進めるのが安心です。

誤飲しやすいものを身の回りから排除する

家の中にある小物、包装材、観葉植物など、誤飲の原因となるものを愛犬の届かない場所に保管することで事故のリスクを減らせます。

ストレスをためない環境づくり

静かな寝床、十分な運動、飼い主とのふれあいなど、心身のストレスケアも嘔吐予防に重要です。急な環境の変化や刺激にも気を配ってあげましょう。

まとめ｜“吐いたから即病気”ではないが、油断は禁物

犬の嘔吐には、空腹や食べ過ぎなど一時的なものから、ウイルス感染や内臓疾患といった緊急性のあるものまでさまざまな原因があります。

「たった1回の嘔吐」でも、その後の様子や吐いた内容次第では深刻な病気が隠れている可能性も。

自宅でできる初期対応＋動物病院に行く判断基準をしっかり押さえておくことで、愛犬の命を守ることにつながります。

日頃の健康管理と観察こそが、「もしも」のときの最善の備えになります。愛犬が健やかに暮らせるよう、飼い主としてできることを日々積み重ねていきましょう。